アイドルポップスを聴くためのインナーイヤーヘッドホンを選ぶ

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付属のヘッドホンから脱皮しよう

2ちゃんねるのAV機器板に、ヘッドホンに関する スレッドがある。ヘッドホンそのものでは ヘッドホン総合インナーイヤーの スレッドがあり、その他、価格帯別、機種別、ヘッドホンアンプのスレッドなど多数の スレッドが続いている。ちょうど音楽、特に通勤時間に聴く音楽をもっといい音で、と 思っていた私にとっては、非常に興味のあるスレッドであったため、このスレッドに影響されて 色々なヘッドホンを買ってしまった。

このページでは、色々購入したヘッドホンを、特にアイドルポップスを聴くという点から 比較してみる。アイドルポップスは、最終の音調整をモニタースピーカーやモニターヘッドホン でなく、ラジカセやミニコンポでするなどと噂されるほど、優秀な録音は少ない。 そのようなポップスを聴くという観点では、クラシックやジャズなどを聴く場合とは、 選ばれるものが微妙に違って来るかも知れない。ここでは、最近の代表的なアイドルポップスを 各ヘッドホンで聴き比べ、その感想を書いていくことにする。

ここまではDOS/VマガジンのTechnical Test Labsのような路線で書こうと思ったが、 このペースで書いても面白くないのでこれからは適当に書く。基本的にインナーイヤーに 絞って書きます。というのは、普通のヘッドホンをレビューしようと思ったら、 最低でもK501とHD600とCD2000とオーディオテクニカの上位機種とSTAXくらいは 書かないといけないと思うし、これだけ買ったら10万はくだらないので…。

テストしたヘッドホン

MDR-E888SP SONY 6,480円?
現在のSONYインナーイヤータイプのフラッグシップ。すぐ下位の機種と価格差が2倍もある。 バイオセルロース振動板、ネオジウムマグネットなどの素材のキャッチコピーが並ぶ。 (→ソニーのページ)
MDR-EX70SL SONY 購入価格不明
他のソニーのシリーズとは違う、密閉型インナーイヤーレシーバーと題された商品。 耳栓のように耳に密着する形をとる。 (→ソニーのページ)
MX500 SENNHEISER 2,380円
ヘッドホンの世界で評価の高い、ドイツのゼンハイザーのインナーイヤータイプの ヘッドホン。普通のヘッドホン(HDシリーズ)はゼネラル通商(国内輸入元)がバカ高い 値段の付け方をしているが、これはそれほど高くない。 (→ゼネラル通商のページ)
HP-V161 AIWA 880円
低価格ヘッドホンの世界では評価の高いアイワのインナーイヤータイプ。耳にぴったり フィットするシリコンゴム採用の「ぴったりベースホン」というのが売り。非常に安いが、 ネオジウムマグネット採用。 (→アイワのページ)
eggy付属 SENNHEISER(OEM) 付属品
DoCoMoのMPEG4カメラのeggyを買ったら付いてきた。eggyの開発元、SHARPのロゴがあるが、 SENNHEISERのMXシリーズのOEMらしい。確かに外側はMX500にそっくり。耳に当たる部分は ちょっと違う。
Rio500付属 KOSS 付属品
MP3プレイヤーのRio500に付属していたもの。webで調べると、どうやらKOSSのKSC19という 商品らしい。15ドル程度のようです。 (→KOSSのホームページ)
CLIE付属 SONY 付属品
CLIE(PEG-N700)を買ったら付いてきたヘッドホン。インナーイヤータイプでは無いのですが、 用途として近いので一緒にテストしてしまいました。MDR-Q033という型番らしい。 (→MDR-Q33SL(姉妹品?)のページ)
MDR-E805 SONY 付属品
ソニーのD-E880というCDプレイヤーを買ったら付いてきたヘッドホン。
RioVolt付属 ???? 付属品
RioVolt(MP3対応CDプレイヤー)を買ったら付いてきたヘッドホン。RioVoltという ロゴが入っており、どこのメーカーのものかは分からない。

その他、2ちゃんねるでおすすめのヘッドホン

ここでは取り上げなかったが、上記スレッドで名前の挙がったヘッドホンを紹介しておこう。 取り上げなかった理由は、私が耳栓タイプが苦手なのが大きい(理由は後述)。他にも、 価格的に試しに買ってみるには高すぎたものもこの中には含まれる。

ER-4(S/B/P) Etymotic Research 37,000円
インナーイヤータイプで37,000円という、驚異の価格を誇る。でも、その価格だけのことは あって、これ以外はダメという人もいる。でも、耳栓タイプだしなあ。そりゃ、新幹線での 娯楽には良いだろうけど、私みたいに2回も乗り換え、よく歩く人間には違和感があるのは辛い。 それに、この値段だとかばんに適当に突っ込むのも苦しいし…。 (→販売店のページ)
A8 B&O 12,800円?
これは耳栓型ではないし、形も格好いいんですが、さほど評価が高いわけでもなかった ようなので見送り。持っていれば満足感は得られそう。 (→レビューのページ)
PLUG KOSS 2,000円程度?
これは耳栓タイプなのでパス。この値段ならしゃれで買っても良いんですが。といいつつ、 そのうち試しに買ってしまうかも。 (→KOSSのホームページ)

試聴した楽曲

桃色片想い ♥桃色片想い♥ 松浦亜弥
極彩色のアイドルポップス。つんくプロデュースは選ばざるを得ない、ということで、 モーニング娘。があれば良かったのですが、手元にあるのがザ☆ピ〜ス!かプッチモニかこれ。 で、悩んだ結果今旬のもの、ということでこれに。録音状態は正直良くはないけど、 そういう例も必要だし。この曲では全体をチェック。
secret base secret base〜君がくれたもの〜 ZONE
去年最大のアイドルヒット曲といっても良いんじゃないでしょうか。そりゃ、モーニング娘。 はありますが、まさかこの曲があそこまで売れるとは思わなかった。でも、その売れ行きに 相応しい名曲だと思います。スローバラード(?)ということで、これを選択。 この曲では全体をチェック。
Final Fun Boy Final Fun Boy Folder5
今一番乗っている葉山拓亮を入れるか、それともdream、EARTH、Folder5を擁するavex系を 入れないとだめか、avex系を入れるなら誰か、と色々考えた結果、Folder5にしました。 売り上げ的にはこれが妥当な線か。でも、hiroのtreasureも入れたかったかも…。 この曲ではバックトラック全般をチェック。
ALIVE ALIVE SPEED
最近、またもやSPEEDのブームが。SPEEDスローテンポ3部作の最終作、大仰しいまでの アレンジだが、ごちゃごちゃしたリズムが無いため、寛子と絵理子のボーカルが際だつ。 時には背筋がぞくっとすることも。実はSPEEDの中で一番好きな楽曲かも知れない。 この曲ではサビの部分の二人のボーカルの伸びをチェック。

試聴環境

良いヘッドホンアンプを使ってやれ、という話もありますが、インナーイヤータイプの テストなので、手持ちのD-E880のリモコンの先につないでテストしました。同じボリューム 設定でも聴感上の音量は違うので、その機種において最適と思われる音量に再設定しています。 全曲同じ順番でやっても面白くないので、毎回適当に変更しています。

試聴結果

最初は全曲全ヘッドフォンで聴こうかと思っていたのですが、桃色片想いが終わった 段階でそれをすることの不毛さに気付いたので、桃色片想いとsecret baseまでは全部で、 それ以降の二曲は付属品を除いて絞ってテストしています。

♥桃色片想い♥
MDR-E888SP 中高域の音の解像度が高い。全体に広がりがあって、好印象。 5
MDR-EX70SL 若干解像感はE888に劣る。しかし、特に弱点は見いだせない。 4
MX500 松浦亜弥の声の帯域付近は綺麗に出ているのだが、高い方に何か雲がかかったような感じ。 3
HP-V161 中域以上の楽器の音が、全く整理されて出てこない。しかし不快な感じはない。 3
eggy付属 MX500より高い方は出ているのだが、シャリシャリ感を感じる。 3
Rio500付属 ボーカル部分にもはっきりしない感じを感じる。全体的にシャリシャリ。 2
CLIE付属 ボーカルの部分でも聴いていてひりひりする感じ。かなり聴くに耐えない。 帯域制限を受けているようだ。 1
MDR-E805 聴いていて疲れる。何か変な音を遮る壁越しに聴いているようだ。 1
RioVolt付属 高域に変なエフェクトがかかっているような感じで、この部分が印象をかなり悪くする。 中域以下はまあまあのようなのだが。 2
secret base〜君がくれたもの〜
MDR-E888SP すべての部分で解像度が高い。この曲に関しては、ボーカルの解像度が高くなりすぎて、 そのせいかシャカシャカして聴き疲れる感じ。 4
MDR-EX70SL 非常にバランスの取れた聞こえ方がする。聴いていて疲れない感じ。 5
MX500 ボーカルの響きは非常に良い。高域もまあまあで、まとまって安定している感じ。 やや解像感に欠けるか。 4
HP-V161 低域の強さを感じる。ボーカル部分はちょっと弱い。高い方はいまいち。 まとまってはいるが、弱点が多い感じ。 3
eggy付属 ボーカルに艶は感じる。中低域は良いのだが、高域ががさがさした感じで、 耳障りな感じはする。 4
Rio500付属 全体に音が薄っぺらいが、まとまりは感じて、破綻していない。 3
CLIE付属 イントロのボーカルの部分がかすれて聞こえる。全体にボーカルがシャリシャリだが、 下二つほど不快な音は出ない。でもサビになると悲しくなる。 1
MDR-E805 高域は聞きづらいし、中低域は未整理な感じで、全然良い所がない。 1
RioVolt付属 中低域の部分が主体の所は聞きやすいのだが、少しでも高域が入ると聴くに耐えない音になる。 イントロ部分なんて最悪。 1
Final Fun Boy
MDR-E888SP 他では整理されていなかった中高域の音が、色々と聞こえてくるのが素晴らしい。 5
MDR-EX70SL 音にまとまりがあるし、割と解像度はあるんだけど、低音に関して耳の穴の外壁を 否応なしに意識させられる感じがする。 3
MX500 こちらはE888と違って、中低域の情報が色々聞き取れる。この楽曲にはこっちの方が 良いのかも知れない。 5
HP-V161 やや低音が強調されすぎる感じ。でも歯切れはあって良い。もう少し音が 整理されていた方が良いかな。 4
ALIVE
MDR-E888SP 正確無比に鳴らし切る、良い楽器を聴いているよう。やはり迫力がある。 5
MDR-EX70SL どの音域も綺麗にまとまっている。でも、迫力に欠ける印象。悪くはない。 3
MX500 バランスは取れているし、高域も伸びているのだが、広がりが今ひとつ足りない感じ。 4
HP-V161 解像感も帯域も足りないんだけど、ボーカルに独特の艶が乗って非常に良い感じ。 E888とはまた違って、上手くボーカルを演出しているような印象。 5
使用感など
MDR-E888SP CDウォークマンにつなげる分には、この40cmの短いケーブルが便利。装着しても 違和感を感じない。私にはエアダイナミックタイプの方が合っているようだ。 5
MDR-EX70SL どうも私の右耳とは合わないようで、上手く着けられないときが多い。そうなると 耳の中でこもる感じがする。着けて歩くと耳の中がかゆくなることが多い。 2
MX500 右左のケーブルの長さが同じというのは、やはり不便さを感じる。ちなみに、eggy 付属のものは左の方が短い日本式ケーブルで、こちらは使いやすい。 4
HP-V161 着けるときにがさつく感じがする。これも着けながら歩くと耳の中がかゆくなる。 3

総評

結局値段相応だね、という面白くも何ともないオチに見えますね。まあ、確かに MDR-E888は万能な感じはする。解像度も高く、高音は綺麗、低音もそこそこ出る。 ということで、予算が許せばMDR-E888(いや、さらに予算が許せばER-4Sでも良いけど) だとは思います。

これまでは、装着感のせいでほとんどまじめに使っていなかったMDR-EX70ですが、 聴いてみるとすごくまとまりの良いヘッドホン、という感じでした。遮音性も高いし、 違和感を感じない人にとっては通勤の良いお供になるでしょう。

MX500は世の中でいわれている(E888以上だとか)ほど良いとも思えなかった。でも、 この価格でこの性能なら文句はないと思う。高音の解像度が低い部分が圧倒的に E888に負けていますが、中域以下は綺麗に出るので、基本的に高音域が聞こえにくい 電車の中にはこちらの方が向いているのかも知れない。安いし。

V161はもう反則のような価格ですが、コストパフォーマンスは非常に高い。 帯域、解像度共に不足していますが、ボーカルを上手くまとめ上げる能力はある。 一つ持っておいても損はしないような。

他は特にコメントすることもないですね。eggy付属はほぼMX500なので良いですし、 Rio500付属のKSC19は意外と良かった感じ(でも、買うほどではない)です。それ以外は 全く持ってダメなので、とりあえずシャープ以外の付属は捨てろ、ということで。

でも、このままだと普通の結論で面白くないので、近いうちにPLUGと、なにか適当に 人柱になって一品買って、テストに追加したいなあ。しかしこんな内容だと、2chに さらされてしまうかもしれないなあ。なかなか全般レビューは難しい。